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2019/11/09
チョーキングを抑える?!聞いたことがないラジカル制御型塗料を解説します
「塗替え道場」が配信している「塗替えTV」の動画から「ラジカル制御型」という水性塗料の解説動画です!
聞きなれないものですが、一体どのような塗料なのでしょうか?
気になる動画はこちら!
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水性塗料でも高耐久!ラジカル制御型塗料?外壁塗装は基本的に塗り替え道場では油性を使用しますが、アパートやマンションの塗装で匂いが出ない水性を使用するときがあります。
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水性と油性の違い
さて、現場はアパートで出演は塗装班職長・寺西くんです。
寺西先生の塗装講座、はじまりはじまり~。
今までいろいろな塗料をご紹介していますが、覚えていますでしょうか?
油性の2液性のものが大半で、クリーンマイルドシリコンやクリーンマイルドフッ素といったものがよく登場していました。
今回はアパートということもあり、水性塗料で塗装を行っています。
水性塗料って、塗替え道場で出てくるのって珍しくないですか?
あまり、話の中でも登場していないですよね。
なぜアパートだから水性塗料を使用しているかというと、住人の方が匂いを気にされるのでその辺りを考慮してのことだそうです。
普段、「油性油性」っていっているのに急に水性塗料?
油性と比べて性能が落ちるんじゃないの?
マジックでも水性より油性の方がなんだか強いイメージがあるかと思います。
本当に水性は油性より性能が落ちるのでしょうか?
確かに昔の水性塗料は劣化が激しく、持ちが良くありませんでした。
一番よくある劣化症状は、ツヤが急に落ちることです。
そして油性に比べて持ちが悪くて、チョーキングが出やすい。
チョーキングというのは白い粉が発生してくる劣化症状です。
この白い粉が発生すると塗膜劣化のサインですので、メンテナンスのタイミングですよ。
今、この壁は塗ったばかりでまだ1回目なのですが、ピカピカでツヤツヤじゃないですか~?
いつも使用している油性に見劣りしないくらいキレイですね。
どのような塗料を使用しているのでしょうか?
チョーキングを起こすラジカルとは?
今回使用している水性塗料は「エスケープレミアムシリコン」です。
ハイブリッドシリコン樹脂塗料というもので、ラジカル制御型塗料になっています。
ラジカルというものを制御する機能、性能がついた塗料なのです!
はて?ラジカルとは?
実はこのラジカルというものがチョーキングを起こす原因。
つまり悪いものなのですが、これを抑えてくれる性能がこの塗料には付いているのです!
塗料の中に白の顔料として酸化チタンが使われています。
紫外線を浴びるとラジカルという物質を出し、塗膜の劣化を促進させるのです。
これによってチョーキングが起こるという仕組み。
ラジカルにより塗料の寿命も短くなりますので、ラジカル制御型を使用することで油性と同じくらいツヤも出て長持ちします。
素晴らしい塗料ですね!
しかし特別な性能があるということは、扱いは変わるのでしょうか?
基本、油性も水性も塗り方自体はさほど変わりはありません。
ただ、水性には油性に無い特徴があり、そのあたりが難しいようです。
ます、水性の特徴は塗っている時ではなく塗った後に色味が出ます。
塗っている最中は色味が薄く出るのです。
確かに、寺西くんが塗った箇所、薄いですよね。
色の上りが後から来るので、塗っている時は明るく見えます。
そして後からだんだんと濃くなってくるのです。
これはおもしろいですね!
油性にはない現象です。
乾くと色が濃くなりますので、2回目の上塗りの時に差が出ます。
塗っている時に色の違いが、目で見られるという訳。
乾くとちゃんと同じ色になりますよ。
本当に色が違うのでびっくりですね。
これなら塗り残しなく完ぺきに塗れますね!
乾きが早い!水性塗料の特徴
ラジカルについては分かりましたね!
水性塗料には他にも乾きが早いという特徴があります。
特に夏場は乾燥時間がかなり短くなり、とっても早い!
指で触れるくらいの指触乾燥(表面の乾燥)は炎天下で直射日光が当たっていればなんと20分ほどで乾くそうです。
これはすごい!
けれど、塗っている時からどんどん乾いていくので、ムラが出やすいというデメリットが。
今回のこの現場は、そういったことも踏まえて複数人で作業しているそうです。
上下作業にする、なるべくつないで塗る、といった工夫をして行うそうですよ。
また、塗料によって乾くスピードも違います。
それぞれ塗料の説明書きにちゃんと乾燥時間が載っていますので、塗る時はよく読みましょう!
早く乾く水性塗料ですが、湿度が高い時は乾きづらくなります。
水で希釈する塗料なので、空気中に水分が多いと薄くなったりすることも。
塗る際も早くつなげないと毛羽立ちという状態になり、ツヤが引いてしまうのです。
それが水性塗料の難しいところですね。
なので、半乾きの時はあまり触らないようにした方が良いですよ。
でも、滑りが良いのでスッーと塗れます。
もし、DIYで塗装をするならば水性の方が扱いやすいですよ。
油性は準備ももちろんですが、終わった後の処分も大変!
匂いもきつく、汚れもシンナーでないと落ちません。
火事の元にもなりやすいのでかなり気を使いますね。
その点、水性塗料は簡単に落ちます。
肌に付いてもお風呂で擦れば落とせますので、DIYには水性塗料がおすすめです!
プロはハケも使い分ける
水性塗料と油性塗料の違いは結構ありましたね。
使用している道具は何か違いがあるのでしょうか。
ここからは寺西くんがハケに付いて熱く語ってくれます。
まず、水性塗料のハケはナイロン製です。
いわゆる化学繊維で作られた人口毛でフワフワとしています。
対して油性塗料用は獣毛で、ヤギの毛が多いそうです。
他にもタヌキ、馬、ブタ毛などがありますよ。
またどこの毛なのかにもよって、値段が変わります。
ヤギですと、腕の毛、顎の毛、しっぽなど。
そういえばヘアブラシや歯ブラシなんかも毛の種類があるのをご存じですか~?
使用感の違いや、値段も差がありますよね。
塗る対象物でハケの毛の種類が変わるそうです。
例えばブタの毛ならば、硬いのでリシン仕上げなどにGood!
リシン仕上げというのは外壁の種類で骨材が入っている表面がザラザラ・ボコボコしている壁です。
そういったザラザラには柔らかい毛では負けてしまうので、硬いブタ毛がいいそうですよ。
塗る物の種類によってハケも使い分けているなんて、さすがプロですね!
メーカーによっても違いはあるそうで、適した使用法などはちゃんとハケの説明書きに記載されています。
購入する際はよく読んで参考にしてくださいね。
また、毛の長さも種類があるそうですよ。
好みもあり、短い方が使いやすい人もいれば、長い方が上手く塗れる、という人も。
寺西くん愛用のハケはGPフレッシュというものです。
2,000円ぐらいでちょっとお高め…?
けれど使い捨てではないので、洗って手入れをして大事に使用しています。
1本で半年ぐらいは使用したいので丁寧に扱うようにしているそうです。
雑に扱うと固まってしまい使えなくなってしまうので、手入れは大切ですね!
このGPフレッシュは毛先が細いので線が細くキレイに塗れるそうですよ。
お高めではありますが、やはり道具にはこだわるのがプロですね。
寺西先生、解説をありがとうございました~。
次回は「錆止め」についての解説です。
台風が落ち着きましたが、大雨もまだありますね。
鉄部塗装についてお話しま~す。
お楽しみに~☆
また見てね~。