- FRP防水
- ウレタン
- トップコート
- ベランダ
- 防水工事
2019/04/17
防水施工をする時に知っておきたいこと
防水施工をするなら
防水と聞いて連想するものはありますか?
プールや屋上、駐車場、自宅のベランダ、屋根と、様々な場所に用いられていますね。
それぞれの場所に適した施工があり、手掛ける職人も違ってくるのですが防水のことをどのぐらいご存じでしょうか。
何かを塗ったり貼ったりする、と言うことは想像がつくと思います。
しかし、この施工がどのように進められているかまでは分かりませんね。
「いつするといいの?」
「どの場所にもできるの?」
「施工費用がすごく高そう」
「工事に時間がかかるのは困る」
知りたいことがたくさんありませんか?
一言に防水と言っても、種類は4つあります。
「FRP防水」・「ウレタン防水」・「シート防水」・「アスファルト防水」ですが、最初の3つの施工は耳にしたことがある方もいるかもしれませんね。
よく用いられる工法なので、ベランダなどにも使用される一般的ものです。
それぞれの防水施工には、特徴、メリット・デメリットがあります。
知って得する情報や、悪徳業者に騙されないポイントなども交えてお伝えしていきますので、大切な家屋を守るために役立ててくださいね。
強度と耐水性に優れているFRP防水
FRP防水という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
ガラス繊維などの強化材・補強材で補強されているプラスチックのことで、「繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)」が正式名称。
この英語名の頭文字を取って、FRPと呼ばれているのです。
耐久性と耐水性にとても優れています。
このFRPに、ポリエステル樹脂に硬化剤を加えたものを混合し、塗膜防水として使用します。
特徴である耐久性が証明されたものと言えば、富士山気象レーダーの「レーダードーム」にもこのFRPが使われていたのですよ。
今は役目を終えていますが、約36年間も厳しい気象条件に耐え抜きました。
FRP防水の特徴
このFRP防水がどこに使用されているのか分かりますか?
つなぎ目無しの防水効果と車両が乗っても耐えうる耐久性が一番の特徴です。
かつ軽量であり、耐熱性と耐食性にも優れています。
この耐久性を活かして屋上駐車場やプールに使用されることが多く、つなぎ目無しで施工ができるため浴槽や船などにも使用されているのですよ。
施工時に臭気が出るのですが、屋内施工の場合は臭気の少ない環境対応型FRP防水が使用されます。
浴室などは屋内施工になりますので、臭気が少ないのは安心ですね。
屋外の駐車場やプールではさほど気にならない臭気でも、一般家屋などではやはり気になりますよね。
戸建て住宅のバルコニーやベランダにもFRP防水は向いており、こちらも環境対応型が使用されます。
メリット・デメリットについて
メリットは以下の5つ。
・住宅のバルコニー・ベランダに使用される
・耐久性がある
・防水層上の歩行が可能
・繋ぎ目が無い(シームレス)
・施工期間が短い
耐久性に優れいるので防水層上の歩行も可能です。
なので主にベランダにはこのFRP防水を使用しています。
住宅の90%以上で使用されている、とても一般的な防水施工です。
硬化するのがとても早いので施工期間を短縮することも。
ベランダなどの施工期間は1日で完了することができるのです。
短期施工できるということが最大のメリットとですね。
繋ぎ目なしのシームレスに施工できるので浴槽にも向いた施工です。
見た目もキレイで施工が早い、こんな良い事づくめのFRP防水にも、もちろんデメリットもありますよ。
以下3点がデメリットになります。
・紫外線に弱い
・伸縮性がない
・施工できる職人が少ない
原料がプラスチックなので紫外線に弱いのです。
ベランダなどは紫外線に長時間さらされます。
やがて劣化していき、ひび割れを起こす原因となるのです。
また、伸縮性がないため地震などの揺れにも弱いので、ひび割れを起こしてしまいます。
すぐにひび割れるようでは、防水施工の意味がありませんね。
劣化を防ぐためには、上から保護目的のトップコートをする必要があります。
このトップコートをすることまでが、FRP防水の施工となりますよ。
豊富なカラーバリエーションがあるのでトップコートをすることで外観をキレイにすることもできます!
しかし、トップコートも永久的に使用できるわけではありません。
5年に1度ぐらいの頻度で塗り替えが必要となってきます。
トップコートも万能ではないので、劣化するのは仕方ありませんね。
美しさや耐久性を保つためにはこのぐらい定期的に行うのがベスト。
そして、3つ目のデメリットにもありますように、FRP防水施工を行うのは簡単ではありません。
誰でもできる、というものではなく国家資格である「防水施工技能士」の技能試験に合格した技能士のみが行える施工なのです。
専門性を要求される資格なので、職人が少ないのが最大のデメリットであるとも言えますね。
注意点とその他
次は注意点とその他、役立つ情報をご紹介します。
自宅修繕をしようと思ったら、どこに頼めばいいのでしょうか?
防水施工をしてくれる会社はたくさんありますが、何を基準に選べばいいか分からないですね。
知らないで悪徳会社に捕まって騙される、なんてことも良くある話です。
では、何に注意して施工会社を見極めればいいのか?
施工を依頼する業者を決める際、ネットで調べたり、自宅近くの店舗に依頼したり、郵便受けに入っていたチラシを頼りにしたり、と方法はいろいろあります。
業者を決めたらまず最初にすることは、見積りをしてもらうことです。
その時に見積りでチェックするポイントがあります。
特に多いごまかしはこちら。
トップコートの塗り替え作業を、さもFRP防水を最初からやり直すかのような見積もりを出し、法外な金額を請求する業者がいるのです。
素人だから分からないだろう、とあの手この手で専門用語を並べて言いくるめのが手口。
これは防水施工に限らず、リフォームの依頼をした時などにも起こりうる事ですね。
なので、施工内容が本当にFRP防水を施工し直さなければならないのか、トップコートをするだけで良いのかを見極める必要があります。
そして、いざ工事が始まった時も、行われている作業が防水施工をしているのか、トップコートをしているのかをきちんと見なければいけません。
しかし、ずっと傍で施工中に監視をしているわけにはいきませんね。
そういう時は、進捗状況の報告書を提出してもらうといいですよ。
ごく一般的に行われていることなので、拒まれることはないはずです。
もし拒まれたら、その業者はあまり信用ができない可能性があります。
報告書には専門用語も多いので、読んでも分からない場合もあると思いますが、分からないことはどんどん質問をしましょう。
曖昧な答えが返ってきたり、別な工事を進められたりしたら騙されているかもしれませんよ。
しかし、トップコートも5年頻度ぐらいで塗り替えなければいけないのは本当です。
なので、今回の施工は塗り替えで済むかも、と一度疑ってみてください。
では、どのような状態になると再施工になるのでしょうか。
実はタイミングは、目視で分かるのです。
表面が色褪せたり、クラックと呼ばれるひび割れが起きたり、ガラス繊維が見えたりと、明らかな異常が出てきた時はトップコートを上塗りしても効果が得られません。
防水層を作らねばならないぐらいのひび割れがある場合は、再施工ということになります。
メンテナンスの方法はいろいろありますので、まずは信頼のおける専門業者に依頼をして、診断してもらいましょう。
次回は「ウレタン防水」の特徴とメリット・デメリットについてお伝えします。