- シート防水
- リフォーム
- 屋上
- 防水
2019/05/07
防水施工をする時に知っておきたいこと~パート3~
防水種類3つ目
FRP防水・ウレタン防水をご紹介してきましたが、いよいよ3つ目の防水施工です。
今までを思い出してみてください。
塗って防水する(被膜防水)防水でしたよね!
今回のはなんと、貼る防水なのですよ。
それはシート防水!
その名の通り、シートを貼って防水する施工です。
「シートを貼るだけなんて簡単そう!」なんて、思いませんか?
ところが、そんな楽にはできない防水施工なのです。
工法も2つあり、貼れる場所も決まっていて、どこにでもできるわけではありません。
さっそく、特徴とメリット・デメリットを1つずつご紹介していきます!
広い面に最適!シートを貼り付けるシート防水
今までの被膜防水と全然違った形状の施工をする防水、「シート防水」です!
名前は聞いたことがありますか?
割とメジャーな防水法なので、改修工事などで聞いたことがあるかもしれませんね。
その名の通り、シートを貼り付けていくわけですがシートなので、広い面に最適です。
材料が2つあり、塩ビシートとゴムシートを使用します。
塩ビシート防水は「塩化ビニールシート」を使用して張り付けていく施工方法。
ゴムシート防水は「加硫ゴム」(生ゴムに硫黄などを加え、弾性・強度を持たせたもの)のルーフィングシートを使用するのが一般的です。
施工方法2つあるので、それぞれ材料の特徴と共にお伝えしていきます。
シート防水の特徴
使用する塩ビシートとゴムシートの特徴を説明していきますね。
塩ビシートの一番の特徴は、耐熱・耐侯性に優れていること。
そして、紫外線に強く、耐摩耗性にも優れているので劣化が少ない。
厚みは1.5~2.5mmぐらいで、寿命は13~15年ほど。
この塩ビシート防水は長期利用が可能なので、今は主流の施工となっています。
カラーバリエーションも豊富なので屋上などをオシャレに施工することもできますよ。
そして、施工方法は「接着工法」・「機械固定工法」と2つあります。
対して、2つ目のゴムシートの特徴としてはまず、安価であること。
軽量で、柔軟性・伸縮性もある材料です。
けれど、厚みが1.5~2.0mmと薄いシートなので鳥害などの衝撃に弱い!
劣化が目立ちやすいのもゴムの特性状避けられません。
「鳥害」というのは鳥が突いたりしてシートに被害を及ぼすことを言います。
確かにカラスのような尖ったくちばしで突っついたら穴が空きますよね~。
ゴミ置き場のゴミを突っついて中身を出したりもできるカラスですから、シートに穴を空けるなんてことは簡単にやってしまうのでしょうね。
寿命は塩ビシートに比べると少し短く10年ほどになります。
接着剤でピッタリ!接着工法
シートを接着剤で貼り付けていく工法なので、短期間で終えることができます。
なので、施工費用もグッと抑えられることができますよ。
下地に全面的に密着しますので、とても丈夫!
雨漏りの心配も解消されます。
手順は、プライマー(下地処理剤)を下地に塗り、乾燥後に接着剤でシートを接着していきます。
とても耐風圧性に優れていますので、屋上などの風の強い場所に最適!
ビスで固定!機械固定工法
機械固定工法は接着剤を使用しません。
専用機器でディスク型の金具(ビスなど)を使用して防水シートを固定していきます。
下地処理を短縮して行えるので、施工期間を短くできるのが良い所。
費用も抑えることができるので、改修工事などによく採用されます。
しかし、防水シートを部分的に固定していくので、風圧の影響を受けやすい工法です。
風圧により固定金具の数が変わることもあるので、ぜひ腕の良い施工業者に依頼をしてほしいです。
工事をしたのにすぐ、「もう雨漏りしてきた!」なんてことになるようでは大変ですよ!
メリット・デメリットについて
シートの良さを活かした工法のシート防水。
メリットとして以下があります。
・寿命が長い
・シート状なので厚みが均等
・短期間で施工できて低コスト
特徴でも話していますが、15年ほど使用できるので寿命がとても長い!
しかし、シート自体の寿命は13~15年もあるのですが、シート同士を接着剤で貼り付ける接着工法の場合は、接着剤耐用年数により寿命が短くなることもあるのです。
接着剤が利かなくなってしまえば剥がれやすくなりますので、シートが大丈夫でも雨漏り原因になってしまいます。
そして厚みですが、FRP防水とウレタン防水のような被膜防水は人の手で塗っていましたね。
だから、厚みにどうしても差がでてしまい均等にならないのがデメリットになっていました。
シート防水は品質の良いシート状の防水材を使用するので、厚みが均等の防水層を作ることができるのです。
他の防水法に比べるとシートは低コストで施工可能、しかも機械固定工法ならば下地処理の費用も抑えられるので更にコストダウンできます。
工期短縮もできるので改修工事には特におすすめの施工です。
デメリットは以下の3つあります。
・凹凸のある場所には適さない
・軽歩行しかできない
・工事の難易度が高く施工できる業者が少ない
液状の物を塗っていく被膜防水とは違い、1枚のシートなので凹凸や複雑な形には対応できず、平らな所にしか貼れないので施工場所を選びます。
広い屋上などは、このシート防水を使用するのが一般的になっていますよ。
このシート防水はとても薄いため、歩行することができません。
破けてしまったりするので、屋上などあまり人が頻繁に歩行しない場所に多く用いられる施工なのです。
バルコニーやベランダには不向きといえます。
下地の影響を受けやすいこともあるので、ボコボコした場所には接着工法は不向きです!
その場合は機械固定工法がおすすめ。
けれど、風の強い場所には不向きの機械固定工法ですので、事前に業者にできるかどうかの確認をしてくださいね。
また、難易度の高い施工方法でもあるので、職人が少ない!
FRPと同じく、熟練職人がいる施工業者を選ぶことが大事になってきます。
きちんと施工できていないと、すぐに剥がれたり、隙間が空いていたりして雨漏りしてしまいますからね。
注意点とその他
シート防水は膨れや鳥害などの被害が出た場合は再施工をおすすめします。
見た目で分かるサインが現われたら、迷わず行ってほしいのが防水施工です。
日頃からメンテナンスを行い、見つけるようにするのが一番ですね。
見つけた劣化を放置していて、雨漏りをしてからでは遅いですよ!
大切な家屋を守るために点検はしっかり行うことが、大切です。
そして、注意点としてはやはり、悪徳な施工業者に騙されないようにすること。
手抜き工事で大金を請求してくる業者は数え切れないほどいます。
このシート防水は難しい施工なので、信頼の置ける業者であるか、技術がある職人であるかどうかを見極める必要がありますね。
見積書は必ず取り、複数の業者と比べてみるようにしないといけませんよ!
現在、シート防水が施されているのであれば、改修工事も同じシート防水で施工するのがベストです。
コスト削減にもなりますし、施工期間が短くもできるので、最適な方法といえます。
天候に左右されず施工できるのもポイント。
元の防水施工がどのようなものでも、上から施工もできます。
シートなので被せてしまうことができるのが良い所です。
その場合には接着工法ではなく、機械固定工法で行います。
少しでも知識があれば、騙されることも少なくなるはずです。
3つの防水施工をお伝えしてきましたが、いかがでしたか~?
防水のことが分かってくるとついつい、外の駐車場やマンションの廊下を見たくなりますよ!
これはウレタン防水かな…なんて考えると面白いですよ。
次回は「防水施工手抜きチェック法」でお送りいたします(^▽^)